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味覚の秋、今回我ら兄弟が向かったのは富有柿生産日本一、福岡県が誇る朝倉郡杷木町。朝倉郡は福岡県の南部、筑後川流域に位置する農業が盛んな所で生産物も豊富だ。中でも柿の生産は多く、出荷市場としては東京につづいて福岡などに年間約一二OOトン、柿一個が約二五Oグラムだから、数にするとなんと五OO万個も出荷しているそうだ。
さて十月八日小春日和、長崎・大分道を東に向かって車を走らせた。やがて「柿のまち杷木町」と書かれた大きな看板が左手の丘の上に見えてきた。すでに周りの山や平地は柿の木だらけでいたるところに実が成っている。
〔JA筑前あさくら〕の日野さんの案内のもと、我ら一行は生産者の田中さんの柿畑へ足を運んだ。ご夫婦で柿の収穫をされていた田中さんに少しだけ手を休めてもらい、お話を聞いた。
「杷木は柿作りに最適な場所なんですよ。盆地で、寒暖の差が激しいが、そのわりに霜があまり降りない。だからつねに日当たりが良くて土壌も肥えているんです」
そんな杷木の町でもここ志波の柿が最もおいしいと田中さんはいう。
毎年五月に白い花を付け、夏を越す。夏の間に太陽の光をいっぱいに受け実が成る。収穫時期は九月から十二月までで、順に安田、伊豆、松本、富有という種類の柿が成るそうだ。僕らが行った時はちょうど伊豆という早生柿を収穫していた。
でも柿畑が一番美しいのは
十一月の中旬からだそうだ。
色づいた柿の実と紅葉した葉があたり一面をオレンジ色に染めるという。
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また、この時期に収穫される富有柿が一番甘くておいしいとのこと。今年は気候が良かったので収穫量も多いそうだ。
天敵は、長雨や冷夏、台風。ただしこればかりは自然との戦いで仕方がないが、毎年悩まされるもうひとつの天敵がいるという。
それは「柿泥棒」。確かに道の両側にはおいしそうな柿がたわわに実っている。しかも手を伸ばせばすぐに届く距離だ。ひどい者になると、車で乗りつけて取っていくそうだ。
田中さん曰く、取られたどうかは枝を見ればすぐに分かるとのこと。実のもぎ方が力任せで無理やり取っていった形跡が残っているらしい。
柿のもぎ方にはコツがあり、力を入れなくてもポロッと取れる方法がある。実は我々はそのコツを教わったのだが、杷木町の皆さんのためにもここでは公開しないでおこう。
とにもかくにも今年は豊作で、おいしい柿が手に入る。
料亭では果物としてだけではなく、柿なますや柿釜などを作り季節を演出するが、今年はきっと格別の味だろう。
最後に田中さんから伺ったおいしい柿の選び方を記そう。
色が鮮やかで固いものがいいそうだ。
ぜひ参考にしてみて下さい。
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生産者の田中茂喜さん。 |
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